受配電設備補償普通約款 | 日本電気保安協会

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受配電設備補償普通約款

第1章 補償金の支払い
第2章 告知義務・通知義務等
第3章 損害の発生
第4章 その他


第1章 補償金の支払い

(補償金を支払う場合)
第1条 当協会は、この約款に従い、補償の目的が当協会の自家用電気工作物の保安管理に関する契約書記載の事業場(以下「事業場」といいます。)において稼動可能な状態(検査、整備、修理または事業場において移設の為に一時稼動していない状態は含みません。以下同様とします。)にあるとき、不測かつ突発的な事故によって生じた損害に対して、損害補償金を支払います。 

(補償金を支払わない場合)
第2条 当協会は、次の各号のいずれかに該当する事由によって生じた損害(これらの事由によって発生した前条(補償金を支払う場合)の事故が拡大して生じた損害、および発生原因のいかんを問わず、前条(補償金を支払う場合)の事故がこれらの事由によって拡大して生じた損害を含みます。)に対しては、補償金を支払いません。

(1)契約者または被補償者の法定代理人(契約者、被補償者が法人であるときは、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関)または事業場責任者の故意もしくは重大な過失。
(2)契約者または被補償者でない者が補償金の全部または一部を受け取るべき場合においては、その者または、その者の法定代理人(その者が法人であるときは、その理事、取締役または法人の業務を執行するその他の機関)の故意もしくは重大な過失。ただし、他の者が受け取るべき金額については除きます。
(3)本補償契約締結の当時(自家用電気工作物に関する契約締結の当時とします。以下同様とします。)、すでに補償の目的に存在し、かつ、契約者、被補償者または事業場責任者が知っていたまたは重大な過失によって知らなかった瑕疵もしくは欠陥。
(4)戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変。
(5)暴動または騒じょう(群衆または多数の者の集団の行動によって、数街区もしくはこれに準ずる規模またはそれ以上の範囲にわたり平穏が害されるかまたは被害を生ずる状態をいいます。)
(6)労働争議中の暴力行為、破壊行為、その他の違法行為または秩序の混乱。
(7)官公庁による差押え、徴発、没収または破壊。
(8)地震もしくは噴火またはこれらによる津波。
(9)暴風、雪崩、崖崩れ、土砂崩れ、土地の沈下・隆起・移動、高潮、洪水またはダム・湖沼・貯水池・河川・水路・雨水・地下水のはん濫。
(10)核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下同様とします。)もしくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。)の放射性、爆発性その他の有害な特性またはこれらの特性による事故。
(11)前号に規定した以外の放射線照射または放射能汚染。
(12)動植物が原因で発生した事故。
(13)更新時期を超過した設備が原因で発生した事故。

2 当協会は、次のいずれかに該当する損害に対しては、補償金を支払いません。

(1)火災、火災による爆発もしくは破裂または化学反応による爆発もしくは破裂による損害(これらの消防または避難に必要な処置によって補償の目的について生じた損害を含みます。)
(2)紛失、盗難、詐欺または横領による損害。
(3)腐食、さび、侵食もしくはキャビテーションの損害またはこれらに起因してその部分に生じた損害。
(4)日常の使用もしくは運転に伴う摩擦、消耗、劣化またはボイラスケールが進行した結果その部分に生じた損害。

3 当協会は、補償の目的の納入者が、契約者または被補償者に対し法律上または契約上責任を負うべき損害に対しては、補償金を支払いません。

4 当協会は、当協会と契約者または被補償者が締結した自家用電気工作物に関する契約が無効または失効、契約の解除の場合、およびその料金支払がなされていないかまたは滞っている場合は、補償金を支払いません。

(補償の目的)
第3条 この約款でいう補償の目的とは、当協会の自家用電気工作物の保安管理に関する契約書記載の事業場における電気事業者等より供給される電力の責任分界点(受電所あるいは受電室引込口に設置した断路器あるいは開閉器の電源側端子をいいます。)から事業場内1次分電盤の低圧配線用遮断器又は開閉器の2次側端子までの次に該当するものを補償の目的とします。但し製造元もしくは社団法人日本電機工業会の定める耐用年数を超えたものは補償の目的に含めないものとします。

(1)高圧気中負荷開閉器等(PAS、UGS)
(2)高圧ケーブル
(3)断路器
(4)避雷器
(5)高圧遮断器および開閉器(負荷開閉器)
(6)計器用変圧器・変流器
(7)変圧器
(8)直列リアクトル
(9)高圧進相用コンデンサ
(10)計器類等
(11)保護継電器等
(12)低圧開閉器、ブレーカ
(13)機器相互間の配線等

2 次に掲げるものは、補償の目的に含まれません。

(1)発電機設備
(2)蓄電池設備
(3)1次受電設備から同電圧(6.6KV)または高電圧(3.3KV)で他の2次変電設備へ送電するための配電設備・配電線および2次変電設備

(補償金額)
第4条 補償金額は、補償の目的の新調達価額(補償の目的と同種同能力の新規のものを取得するために要する価額をいい、事業場において稼動可能な状態に設置するために要する費用を含みます。以下同様とします。)に不足しないものとします。

2 当協会と契約者または被補償者が締結している自家用電気工作物に関する契約の料金が当社の定める料金に不足している時、または値引きしている時は、新調達価額にその割合を乗じて得た額を補償金額とします。

(損害の額の算出)
第5条 当協会が、第1条(補償金を支払う場合)の損害補償金として支払うべき損害の額は、損傷を受けた補償の目的を損害発生直前の稼動可能な状態に復旧するために要する修理費によって定めます。

2 次の各号の費用は、前項の修理費に含まれません。

(1)国際間における航空輸送もしくは貸切輸送により特に要した増加運賃または国外から技術員の派遣を受けたために要した費用
(2)仮修理費。ただし、本修理の一部をなすものと認められる部分については、前項の修理費に含みます。
(3)損傷を受けた部分の修理に伴い、他の部分の交換に要した費用。
(4)模様替えまたは改良による増加費用。
(5)損傷の修理に必要な場合を除き、分解整備、乾燥もしくは清掃の費用または凝固、閉塞、他物の付着、浸水もしくはこれらに類似の状態を取り除く費用。

3 第18条(損害の拡大防止義務および損害拡大防止費用)第2項の規定により当協会の負担する費用は、第1項の損害の額に算入します。

4 前3項の規定による損害の額は、補償の目的の新調達価額を限度とします。

(損害補償金の支払額)
第6条 当協会が第1条(補償金を支払う場合)の損害補償金として支払うべき額は、1回の事故につき前条(損害の額の算出)の規定による損害の額(以下「損害の額」といいます。)から1万円の契約者、被補償者自己負担額を差し引いた額とします。

2 損害が発生したときにおける補償金額がその時の補償の目的の新調達価額に不足しているときは、損害の額に新調達価額に対する補償金額の割合を乗じて得た額から1回の事故につき一万円の契約者または被補償者の自己負担額を差し引いた額を支払います。

3 1回の事故により2以上の補償の目的が損害を受けた場合には、それぞれの補償の目的の損害の額(補償の目的ごとに補償金額がそのときの補償の目的の新調達価額に不足しているときは、損害の額に新調達価額に対する補償金額の割合を乗じて得た額)の合計額から1万円の契約者または被補償者自己負担額を差し引いた額を支払います。

(臨時費用補償金)
第7条 当協会は、この約款に従い、損害補償金が支払われる場合において、その事故によって補償の目的が損害を受けたため臨時に生ずる費用(以下「臨時費用」といいます。)に対しては補償金を支払いません。

(残存物取片づけ費用補償金)
第8条 当協会は、この約款に従い、損害補償金が支払われる場合において、その事故によって損害を受けた補償の目的の残存物の取片づけに必要な費用(取りこわし費用、取片づけ清掃費用および搬出費用をいいます。以下「残存物取片づけ費用」といいます。)に対しては補償金を支払いません。

(他の保険契約がある場合)
第9条 第1条(補償金を支払う場合)の損害に対して保険金を支払うべき他の保険契約がある場合、当協会は補償金を支払いません。

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第2章 告知義務・通知義務等

(告知義務)
第10条 本補償契約締結の当時、契約者、被補償者またはその代理人が、故意または重大な過失によって、自家用電気工作物に事故が発生するおそれがあることについて、当協会に知っている事実を告げずまたは不実のことを告げたとき、もしくは契約者または被補償者が、補償の目的にすでに第1条(補償金を支払う場合)の損害が生じ、またはその原因が発生していたことを知っていたときは、当協会は、補償金を支払いません。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しません。

(1)前項の告げなかった事実または告げた不実のことがなくなった場合
(2)当協会が本補償契約締結の当時、前項の告げなかった事実もしくは告げた不実のことを知り、または過失によってこれを知らなかった場合

3 第1項の告げなかった事実または告げた不実のことが、当協会の危険測定に関係のないものであった場合には、第1項の規定を適用しません。

4 損害が発生した後に第1項に定める事実が判明した場合でも、当協会は、補償金を支払いません。すでに補償金を支払っていたときは、当協会は、その返還を請求することができます。

5 前項の規定は、損害が第1項の告げなかった事実または告げた不実のことに基づかないことを契約者または被補償者が証明したときは、適用しません。

(通知義務)
第11条 本補償契約締結後、次の各号のいずれかに該当する事実が発生した場合には、契約者または被補償者は、事実の発生がその責めに帰すべき事由によるときはあらかじめ、責めに帰すことのできない事由によるときはその発生を知った後、遅滞なく、書面をもってその旨を当協会に申し出て、承認を得なければなりません。ただし、その事実がなくなった後は、この限りではありません。

(1)補償の目的を譲渡すること。
(2)補償の目的の用途または仕様を変更すること。
(3)補償の目的を仮修理もしくはその他の応急措置により運転または使用すること。
(4)補償の目的を引続き30日以上にわたって整備または修理すること。
(5)前各号のほか、自家用電気工作物に関する契約書の記載事項に重要な変更を生ずべき事実が発生したとき。

2 前項の手続を怠った場合には、当協会は、前項の事実が発生したときまたは契約者または被補償者がその発生を知ったときから当協会が承認請求を承諾するまでの間に生じた損害に対しては、補償金を支払いません。

3 第1項各号のいずれかに該当する事実がある場合(前項ただし書の規定に該当する場合を除きます。)には、当協会は、その事実について承認請求を承諾したと否とを問わず、自家用電気工作物に関する契約書記載の契約者または被補償者の住所に当てて発する書面による通知を持って、本補償契約を無効にすることができます。

(管理義務)
第12条 契約者または被補償者は、補償の目的につき事故の発生を予防するために必要な整備、保守および運転管理を行わなければなりません。

2 補償の目的につき事故発生のおそれが大きいと認められるときは、当協会は、契約者または被補償者が自己の費用をもってその発生を防止するために必要な措置を取ることを請求することができます。

3 契約者または被補償者が、正当な理由がなくて、前項の請求に応じなかったときは、当協会は補償金を支払いません。

(補償の目的の調査)
第13条 当協会は、いつでも補償の目的について調査することができます。

2 契約者または被補償者または事業場責任者が、相当な理由がないのに、前項の調査を拒んだときは、当協会は、自家用電気工作物に関する契約書記載の契約者または被補償者の住所に当てて発する書面による通知をもって、本補償契約を解除することができます。

(本補償契約の失効)
第14条 本補償契約締結後、補償の目的の全部が減失した場合には、その事実が発生した時に、本補償契約は、その効力を失います。ただし、第24条(補償金支払後の本補償契約)の規定により本補償契約が再開した場合を除きます。

(補償料)
第15条 本補償契約における補償料は、当協会における自家用電気工作物に関する契約において徴収する定例保安業務手数料に含まれるものとします。

(補償料の返還―契約の無効・失効・契約解除の場合)
第16条 本補償契約が無効または失効・契約解除の場合において、補償料の返還に関する規定はすべて、当協会における、自家用電気工作物に関する契約内の定例保安業務手数料の返還の規定に従うものとします。ただし、補償料だけを別個のものとして扱い、それのみを返還することはしないものとします。

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第3章 損害の発生

(損害の発生の場合の手続)
第17条 契約者または被補償者は、補償の目的について損害が生じたことを知ったときは、次の各号の事項を履行しなければなりません。

(1)損害の発生を直ちに電話または電信によるほか、書面をもって当協会に通知すること。
(2)損害にかかわる物件を保存すること。
(3)損害の状態の変更を行わないこと。ただし、当協会の承認を得た場合、第1号の通知が発せられた時から当協会が調査を行わないで7日を経過した場合または保安上必要と認められる場合を除きます。
(4)損害見積書に当社の要求するその他の書類を添えて、損害の発生を通知した日から30日以内に当協会に提出すること。
(5)損害見積金額が当協会の基準を超えた場合は、契約者または被補償者は当協会の基準内で復旧を行うか、当協会から支払う補償金で差額を埋めるかのどちらかを選ばなければなりません。

2 補償の目的について損害が生じたときは、当協会は、事故の生じた補償の目的または事業場を調査することができます。

3 契約者または被補償者が、正当な理由がないのに第1項の規定に違反したときまたは提出書類につき知っている事実を表示せずもしくは不実の表示をしたときは、当協会は、補償金を支払いません。

4 契約者または被補償者が、正当な理由がないのに第2項による当協会の調査を拒否または妨害したときは、当協会は、補償金を支払いません。 

(損害の拡大防止義務および損害拡大防止費用)
第18条 契約者または被補償者は、第1条(補償金を支払う場合)の損害が生じたときは、損害の拡大防止または軽減に努めなければなりません。契約者または被補償者が故意または重大な過失によってこれを怠ったときは、当協会は、損害の額から防止または軽減することができたと認められる額を差し引いた残額を損害の額とみなします。

2 前項の場合において、契約者または被補償者が、前項の損害の拡大防止または軽減のために必要または有益な費用を支出した場合において、第2条(補償金を支払わない場合)に掲げる事由に該当しないときは、当協会は、その費用を負担します。

(復旧義務)
第19条 契約者または被補償者は、損害が生じた日から1年以内に、事業場において、その補償の目的を復旧しなければなりません。ただし、法令による規制その他止むを得ない事情がある場合には、あらかじめ当協会の承認を得て、復旧の期間または復旧の場所につき、これを変更することができます。

2 契約者または被補償者は、前項に定める復旧をしたときは、遅滞なく、書面をもってその旨を当協会に通知しなければなりません。

3 契約者または被補償者が第1項に規定する復旧を行わなかった場合には第5条(損害の額の算出)第4項の規定にかかわらず、補償の目的に損害が発生した時における補償の目的の時価を損害の額の限度とします。

(残存物)
第20条 当協会が第1条(補償金を支払う場合)の損害補償金を支払ったときでも、補償の目的の残存物の所有権は、当協会がこれを取得する旨の意思を表示しない限り、当協会に移転しません。

(評価人および裁定人)
第21条 補償の目的の新調達価額または損害の額について、当協会と契約者、被補償者または補償金を受け取るべき者との間に争いを生じたときは、その争いは当事者双方が書面によって選定する各1名ずつの評価人の判断にまかせます。評価人の間で意見が一致しないときは、双方の評価人が選定する1名の裁定人がこれを裁定するものとします。

2 当事者は、自己の選定した評価人の費用(報酬を含みます。)を各自負担し、その他の費用(裁定人に対する報酬を含みます。)については、半額ずつ負担するものとします。

(代位)
第22条 当協会は、第1条(補償金を支払う場合)の損害に対して補償金を支払ったときは、その支払った補償金の額を限度として、かつ、契約者または被補償者の権利を害さない範囲内で、契約者または被補償者がその損害につき第三者に対して有する権利を代位取得します。

2 契約者および被補償者は、当協会が取得する前項の権利の保全および行使ならびにそのために当協会が必要とする証拠および書類の入手に協力しなければなりません。このために必要な費用は、当協会の負担とします。

(補償金の支払時期)
第23条 当協会は、契約者または被補償者が第17条(損害の発生の場合の手続)の規定による手続をした日から30日以内に、補償金を支払います。ただし、当協会が、この期間内に必要な調査を終えることができないときは、これを終えた後、遅滞なく、補償金を支払います。

2 前項の規定にかかわらず、損害の額が損害が発生した時における補償の目的の時価をこえる場合には、そのこえる部分については、当協会は、契約者または被補償者が第19条(復旧義務)第2項の規定による通知をした日から30日以内に、補償金を支払います。ただし、当協会が、この期間内に必要な調査を終えることができないときは、これを終えた後、遅滞なく、補償金を支払います。

(補償金支払後の本補償契約)
第24条 第1条(補償金を支払う場合)の損害補償金の支払いがあったときは、本補償契約は、その補償金支払の原因となった損害の発生したときから一年間休止します。

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第4章 その他

(補償期間)
第25条 補償期間は、その初日の午後4時(自家用電気工作物に関する契約書にこれと異なる時刻が記載されているときは、その時刻)に始まり、末日の午後4時に終わります。

(準拠法)
第26条 この約款に規定のない事項については、日本国の法令によることにします。

(管轄裁判所)
第27条 本約款に関して万一紛争が生じた場合の管轄裁判所は、大阪地方裁判所又は大阪簡易裁判所とします。

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